銀河鉄道の夜
2020-04-25


ほんの数週間前は、何も意識せずに「日常」を送っていました。
生きることも、働くことも、人と話すことも当たり前のようにそこにあって、それが分断される時が来るなんて想像もしていませんでした。

2020年2月と3月に予定していた朗読教室は、それでもまだその時点では「迷った末に」中止しました。緊急事態宣言が発令されている今になってみると、それは必須の選択だったと思います。

これまで、朗読教室のご案内をお送りする際には下記のような文章を添えていました。

「朗読=ただ本を読む」ことは、意外と難しいことに気づきます。
文字を音や静けさに変えていくシンプルな作業は、シンプルが故に素の自分と向き合うことになるからです。けれど、読むことに集中し我を忘れた瞬間はとても心地よいものです。 
日常と離れた音の空間を作ってみませんか。

この文の中に出てくる「日常」は、現代社会で伴うストレスや煩雑な事などを想起していましたが、今は同じ「日常」がいかに尊く重みを持ったものであったか改めて気付かされる毎日です。

「日常」と離れないために。「日常」へ戻る音の空間を作ろうと思います。

この度、Zoomを使用したオンライン朗読教室を開始いたします。テキストは宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』です。一つの物語をみんなで順番に朗読し、録音し、instagram等へ配信していきます。みんなで作る『銀河鉄道の夜』です。


銀河鉄道の長い朗読旅が終わる頃、世界はどのように変化しているでしょうか。
ゆっくりと、世界の濁りを濾過しながら、光る海原を目指していこうと思います。


「けれどもほんとうの幸せは一体何だろう。」ジョバンニが云いました。
「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云いました。
「僕たちしっかりやろうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧わくようにふうと息をしながら云いました。 

(本文より)


朗読教室ウツクシキ  岡安圭子
picture by Eriko Tsumori

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