参加者の声vol.1 「朗読とレモングラスのハーブティーと私」
2021-10-08

朗読教室ご参加の方に寄せて頂いた言葉をご紹介します。

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「朗読とレモングラスのハーブティーと私」安田奈美子

なんとなく手にした雑誌の記事で、朗読教室ウツクシキを知りました。でもその時はまだ、まさかこの出会いが私の人生の流れを変えるだなんて、全く思ってもいませんでした。いえ、そんな大げさな話ではないのですが…。

体調を崩して、田舎暮らしを始めて4年目。少し外の空気を吸いたいな、今の環境とは違うコミュニティに参加したいな、ちょうどそんな風に感じていた時でした。
朗読といってふと思い浮かんだのが、小学校の国語の授業の光景です。物語を順に一小節ずつ読み上げていく。つっかえたり、詰まったりしながら。前の席の子の背中と、教科書の一文を目で追いながらソワソワと自分の番が来るのを待つ。あの瞬間がとても好きだった事を思い出しました。
それで思い切って参加してみる事にしたんです。朗読教室ウツクシキへ。

そこはかとなく得体の知れない朗読教室という世界。初めは好奇心と、ほんの少しの怪しみを持っていました。ですが、恐る恐る開いた扉の先は、思いの外穏やかで居心地の良い空間でした。もちろん戸惑うこともありました。ぶっつけ本番での自己紹介にあたふたしたり、録音して聞く自分の声が、思った以上にせわしなくてがっかりしたり。
でも、なにより「声を出すこと」って本当に気持ちがいいんです。紙の上に整列した文字を一語ずつ掬うように読む。心が落ち着き、身体が開いていく。やがて自分と向き合う静かな時間が訪れる。今、ここだけに集中できるんです。

そして、この朗読教室のお楽しみの一つが、先生が振る舞ってくれるレモングラスのハーブティーです。
これがとても美味しい。
爽やかで、ほのかな清涼感が朗読後の喉にも優しい。すっかりこのお茶にはまってしまった私。さっそくお取り寄せをし、家でも楽しむようになりました。
私は、15年程前にティーインストラクターという資格を取り、紅茶に携わる仕事をしていました。ですが一時期、軽い味覚障害になり、すっかり紅茶からは遠ざかっていたのです。
ところが、このハーブティーを淹れるために引っ張り出してきたポットやカップを見て、ふと、もう一度ちゃんと紅茶を淹れて飲んでみようかな…そんな気持ちがむくむくと沸き上がってきました。
それからは朝夕、紅茶を淹れる日々に。
ポットの中で、揺れる茶葉を眺めながらのんびりと出来上がりを待つ。
じっくりと時間をかけて味わう。すっと気持ちが落ち着いていく感覚は、朗読と少し似ているかもしれません。1年位たった頃、やっぱり紅茶美味しいな…としみじみ感じられるようになりました。そうしてまた、紅茶を勉強し直したいと思うようになったんです。
そこで、今度は改めてティーアドバイザーの資格を取ることにしました。その勢いで紅茶専門店を探し、履歴書を握りしめ「頼もう!」とばかりに乗り込みました。思ってもみないひょんなことから、これがそこに?と繋がっていき、私は再び紅茶の仕事をすることになったんです。

朗読教室の門をたたいたことがきっかけで、何故か私の紅茶人生2周目がくるくると回り出したのですから、出会いって本当に不可思議で面白いものです。
ただ一つ言えるのは、興味があること、少しでも心動かされることは、何でも楽しんでやってみるといい、ということです。その事を私に教えてくれたのが、朗読教室ウツクシキでした。

あなたの人生も、ひょんなことから思ってもみない場所へ導かれる…なんてことがあるかもしれませんよ。私にあったように…。

*初回:2018年4月〜
*教室を知ったきっかけ:雑誌『リンネル』記事を見て
*文中にあるレモングラスのハーブティーは、オンラインでは再現できない朗読教室ウツクシキの象徴的なアイテムです。一日も早く対面教室が出来るようになり、お茶をお淹れする時間が戻りますように。

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